毎年、夏至の日を迎えると関西ではテレビやラジオから「今日はタコを食べる日ですね」なんて声がよく聞かれます。
そして、毎年のように「へーっ今日はタコを食べる日なんだ」と思うのですが、そこで湧いた疑問が「どうして夏至にタコを食べるのだろう」と言うことです。
そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますので、今回はその疑問を解消します!
そもそも夏至にタコを食べるってホントなの?
結論から言うと、食べます。
関西と言っても広いので地域によって食べるものに違いはありますが、関西の一部、特に大阪では、夏至の頃にタコを食べる風習があります。
タコを食べる理由ですが、夏至の頃は、ちょうど田植えの時期と重なることから、タコの足や吸盤のようにしっかりと根付いて欲しいと言う、豊作の願いが込められているようです。
また、タコにはタウリンや亜鉛が多く含まれていることから、田植えの疲労回復や夏バテ防止の意味もあって、夏至の時期にタコを食べる風習になったようです。
地域によって違う夏至の頃の食べ物
では、その他の地域では何を食べるのでしょうか?
代表的な食べ物をご紹介します。
京都では「水無月(みなづき)」
京都では、「水無月(みなづき)」と言う和菓子を食べる風習があります。
この「水無月」は、白いういろうの上に小豆を乗せ、三角形に切り分けたシンプルなお菓子です。
京都では6月30日になると、各地の神社では半年間の「罪穢れ(つみけがれ)」を祓い清める神事「夏越の祓(なごしのはらえ)」が催されますが、この神事の際に罪を払い無病息災を願って食べられるのが、この「水無月」と言うお菓子です。
「水無月」の白いういろうは氷を模していて、上にのる赤い小豆には邪気払いの意味があるそうです。
奈良では「半夏生餅(はんげしょうもち)」
夏至から数えて11日目にあたる7月2日頃から七夕頃までの5日間を半夏生(はんげしょう)と言うそうです。
奈良では、この「半夏生」の頃につぶし小麦ともち米を混ぜてついた「半夏生餅(はんげしょうもち)」を食べる風習があります。
「半夏生」の頃は、小麦の収穫も終わり、田植えも一段落する時期でもあることから、この「半夏生餅」を神様にお供えして、豊作と農作業の無事を感謝しながら食べるそうです。
香川では「うどん」
香川と言えば、うどん県と呼ばれるほど「讃岐うどん」が有名です。
香川でもちょうど田植えが終わる半夏生の時期に、田植えの疲れを癒やすために「うどん」を食べる風習があるそうです。
2022年・2023年の夏至はいつ?
一年で最も昼の時間が長くなる夏至。
2022年は、6月21日の火曜日、そして、2023年は、6月21日の水曜日となっています。
ちなみに東京の日の出、日の入り時間は
2022年6月21日は、日の出4時25分、日の入り19時00分
2023年6月21日は、日の出4時25分、日の入り19時00分
となっています。
そもそも夏至とはどんな日?
夏至は、「一年で最も昼の時間(日の出から日没までの時間)が長く、夜が最も短い日」と言うことで知られています。
では、夏至とはそもそもどのような日なのでしょうか?
夏至は、二十四節気のひとつで、立夏と立秋のちょうど真ん中にあたり、この日を境に昼の時間が冬に向かって少しづつ短くなっていきます。
また、二十四節気は期間をあらわすこともあるので、夏至から小暑までの期間、2022年の場合は6月21日から7月6日までの期間が夏至となります。
一般的には、夏至の期間に入る日を指して夏至と呼ぶ場合が多いようです。
この夏至の期間には、麦の収穫が終わり田植えを終える目安としている半夏生があり、豊作祈願の食べ物を食べる風習が各地に見られます。
その一つが、関西の一部でタコを食べると言うことです。
まとめ
いかがでしょうか?
このように夏至に食べられている関西のタコをはじめ、夏至の食べ物は、田植えという農業の一大イベントと大きく関わっていることが分かります。
そして田植えで疲れた体の疲労回復と夏バテ防止の意味も…
これからは、そのような意味をよく噛みしめて夏至にはタコを食べたいと思います。私も関西人のひとりなので。。。
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